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相続人の中に行方不明者がいる場合の遺産分割協議(不在者財産管理人について)

美咲総合法律税務事務所
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さて、相続人の中に行方不明者がいる場合の対応として、失踪宣告を説明しましたが、もう一つの方法である不在者財産管理人について説明します。
美咲総合法律税務事務所
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これは、以前住んでいた場所からいなくなって、戻る見込みがない人について、家庭裁判所が「不在者財産管理人」を選び、その財産管理人が、財産の管理や売却などを行います。遺産分割協議の調印も行うことができます。
どういった手続が必要ですか?
相談者
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行方不明者が以前住んでいた場所を管轄する家庭裁判所に申立書を提出します。戸籍謄本や財産目録なども添付する必要があります。
「不在」というのは、具体的にどういうことですか?
相談者
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美咲総合法律税務事務所
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法律上「従来の住所又は居所を去った者」(民法25条1項)とされ、住所を去ったまま、容易にそこに帰ってくる見込みのない者をいいます。
誰でも不在者財産管理人になることはできるのですか?
例えば、私でもいいのですか?
相談者
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資格制限があるわけではありませんが、あくまで不在者の利益を保護できる立場の人でなければなりません。
遺産分割の場合は、他の相続人と不在者とでは利益が相反することが考えられますので、第三者が選任されることになるでしょうね。
このような場合、実務上、弁護士等の専門家が選任されています。
第三者が選任された場合、その人に対して報酬は発生しますか?
相談者
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その財産管理人が裁判所に請求した場合、裁判所の判断によって決定されます。この場合、不在者の財産から払われます。

 

家事事件手続法

(管轄)
第百四十五条 不在者の財産の管理に関する処分の審判事件(別表第一の五十五の項についての審判事件をいう。)は、不在者の従来の住所地又は居所地を管轄する家庭裁判所の管轄に属する。

(管理人の改任等)
第百四十六条 家庭裁判所は、いつでも、民法第二十五条第一項の規定により選任し、又は同法第二十六条の規定により改任した管理人を改任することができる。
2 家庭裁判所は、民法第二十五条第一項の規定により選任し、又は同法第二十六条の規定により改任した管理人及び前項の規定により改任した管理人(第四項及び第六項において「家庭裁判所が選任した管理人」という。)に対し、財産の状況の報告及び管理の計算を命ずることができる。同法第二十七条第二項の場合においては、不在者が置いた管理人に対しても、同様とする。
3 前項の報告及び計算に要する費用は、不在者の財産の中から支弁する。
4 家庭裁判所は、管理人(家庭裁判所が選任した管理人及び不在者が置いた管理人をいう。次項及び次条において同じ。)に対し、その提供した担保の増減、変更又は免除を命ずることができる。
5 管理人の不動産又は船舶の上に抵当権の設定を命ずる審判が効力を生じたときは、裁判所書記官は、その設定の登記を嘱託しなければならない。設定した抵当権の変更又は消滅の登記についても、同様とする。
6 民法第六百四十四条、第六百四十六条、第六百四十七条及び第六百五十条の規定は、家庭裁判所が選任した管理人について準用する。

(処分の取消し)
第百四十七条 家庭裁判所は、不在者が財産を管理することができるようになったとき、管理すべき財産がなくなったときその他財産の管理を継続することが相当でなくなったときは、不在者、管理人若しくは利害関係人の申立てにより又は職権で、民法第二十五条第一項の規定による管理人の選任その他の不在者の財産の管理に関する処分の取消しの審判をしなければならない。

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