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相続における不動産について

相続における不動産の特殊性

遺産(相続財産)には、不動産、家財等の動産、現金、預貯金、有価証券等、様々なものがあります。
このうち、現金や預金等、その金額が明確なものについては、相続人間でそれぞれの相続分に応じて1円単位まで分割することも可能です。
しかし、不動産については、そう簡単ではありません。というのも、不動産の評価は、原則として時価(市場で実際に取引されている平均的な価格)を基準とすることとなっているのですが、同じ土地の取引価格は実際に売りに出してみないと分からないですし、様々な要因によって変動するため、正確な時価を算出することが困難であるからです。
そのため、相続人の間で不動産の評価方法が争いになることは少なくありません。
 

不動産の評価方法

上述したように、不動産の時価を正確に算出するのは困難でありますが、土地についての評価の指標としては、以下のようなものがあります。
 

①公示価格

国土交通省の土地鑑定委員会が特定の土地(標準地)について、毎年1月1日を基準日として発表する、売り手、買い手の双方に売り急ぎ、買い進み等の特殊な事情がない取引において成立するとみられる認められる正常な価格。
後述する相続税評価額や固定資産税評価等の基準ともされており、最も時価に近い数値とも言えるが、全ての土地に公示価格があるわけではないため、必ずしも参照できるわけではない。
 

②相続税評価額(路線価)

相続税・贈与税の計算のために使用される、宅地の評価額の基準となる土地の価格。市街地については路線価(路線につけられた1㎡当たりの評価額)を基準に、それ以外の地位については倍率方式(固定資産評価額に倍率を乗じて算定する)により算出する。
一般的に、路線価は公示価格の80%を目処に設定されていると言われており、国税庁により毎年評価替えされているので地価変動をより詳細に反映しているともいえるが、物価の変動等の事情によって、路線価が時価よりも低い金額になる場合もある。
 

③固定資産評価額

固定資産税を賦課するために基準となる評価額で、市町村が定めるもの。一般的に、時価の70%を目処に設定されていると言われている。
地形や角地など土地の個別的要因を考慮して不動産ごとに決められているが、3年に1度しか評価替えしないため、公示価格等との格差が生じやすい。
なお、建物価格については、固定資産評価額を利用して計算されることが多い。
 

土地の評価における注意点

以上のように、不動産評価には様々な指標があるものの、遺産分割における不動産の評価額は、相続人全員が納得すればいくらで評価しても構わないことになっています。
しかし、不動産を取得する者は、できる限り安く評価したほうが他の遺産も取得できる余地が増えることになりますし、他方、不動産を取得しない者は、できるかぎり高く評価したほうが他の遺産や代償金(ある相続人が不動産を相続した代わりに、他の相続人に対して支払う調整金)をより多く取得できることになります。
ですので、他の相続人が不動産の評価額を提示してきたとしてもそれを鵜呑みにせず、ご自身で調べるなり、専門家に相談することをお薦めします。

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