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補助人の権限

質 問

補助人にはどのような権限が与えられますか?

回 答

保佐の場合と重複するのですが、同意権と取消権があります。
被補助人が一定の法律行為をする場合、補助人の同意が必要で、この同意を得ない場合には後から取り消すことができます。(民法16条1項、4項)

「一定の法律行為」とは何のことですか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
家庭裁判所が同意が必要だと定めた行為で、民法13条1項に列挙されています。
保佐の場合と違うのが、保佐の場合、民法13条1項全ての行為が同意が必要なのですが、補助の場合はこのうち家庭裁判所が定めたもののみが同意が必要になるのです。
後見の場合「代理権」というものがありましたが、補助の場合はどうですか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
保佐の場合と一緒で、当然に代理権が与えられるわけではありません。
ただ、申立てにより、家庭裁判所が、被補助人のために特定の法律行為について保佐人に代理権を与えることはできます(民法876条の9)。
「特定の法律行為」とありますが、これは民法13条1項に挙げられている行為のことですか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
いいえ違います。
「特定の法律行為」は、民法13条1項各号に掲げる行為に限られません。

 

【民法】
第17条
1 家庭裁判所は、第15条第1項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求により、被補助人が特定の法律行為をするにはその補助人の同意を得なければならない旨の審判をすることができる。ただし、その審判によりその同意を得なければならないものとすることができる行為は、第13条第1項に規定する行為の一部に限る。
2 本人以外の者の請求により前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。
3 補助人の同意を得なければならない行為について、補助人が被補助人の利益を害するおそれがないにもかかわらず同意をしないときは、家庭裁判所は、被補助人の請求により、補助人の同意に代わる許可を与えることができる。
4 補助人の同意を得なければならない行為であって、その同意又はこれに代わる許可を得ないでしたものは、取り消すことができる。

第13条
被保佐人が次に掲げる行為をするには、その保佐人の同意を得なければならない。ただし、第9条ただし書に規定する行為については、この限りでない。
1 元本を領収し、又は利用すること。
2 借財又は保証をすること。
3 不動産その他重要な財産に関する権利の得喪を目的とする行為をすること。
4 訴訟行為をすること。
5 贈与、和解又は仲裁合意(仲裁法(平成15年法律第138号)第2条第1項に規定する仲裁合意をいう。)をすること。
6 相続の承認若しくは放棄又は遺産の分割をすること。
7 贈与の申込みを拒絶し、遺贈を放棄し、負担付贈与の申込みを承諾し、又は負担付遺贈を承認すること。
8 新築、改築、増築又は大修繕をすること。
9 第602条に定める期間を超える賃貸借をすること。

第876条の9
1 家庭裁判所は、第15条第1項本文に規定する者又は補助人若しくは補助監督人の請求によって、被補助人のために特定の法律行為について補助人に代理権を付与する旨の審判をすることができる。
2 第876条の4第2項及び第3項の規定は、前項の審判について準用する。

第876条の4第2項
本人以外の者の請求によって前項の審判をするには、本人の同意がなければならない。

 

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