HOME > よくあるQ&A > 成年後見について > 後見制度支援信託について

後見制度支援信託について

質 問

現在、私は母の成年後見人をしています。
実は、私が後見人に就任したのは、母が交通事故の被害に遭い、高次脳機能障害と診断されたためです。
この交通事故の処理が終わり、損害賠償金としてまとまったお金が保険会社から送金されるようです。
この話を家庭裁判所にしたら、「後見制度支援信託」の紹介をされたのですが、これはどういった制度なんでしょうか?

回 答

後見制度支援信託とは、被後見人の財産のうち、日常的な支払いに対応する金銭を後見人が管理し、通常使用しない金銭を信託銀行等に預ける(信託する)制度のことをいいます。

定期的に一定額が信託銀行等から後見人のもとに送金されるという仕組みです。

後見制度支援信託が設定されると、信託された財産の払い戻しや解約をする場合に家庭裁判所の指示書が必要です。

もし手元の資金だけでは支払いに対応できないような事態が起きたら、どうすればいいですか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
そのような場合、家庭裁判所に事情を説明して、家庭裁判所から指示書の発行を受け、それを信託銀行等に提出し、必要な金銭を信託財産から払い戻すことが可能です。
いくら以上の資産がある場合に使われているのでしょうか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
現在では、被後見人の預貯金等の流動資産が1000万円以上の場合に利用されています。
ただ、ここは地域ごとに取り扱いが異なるようですので、管轄の家庭裁判所に聞いてみてください。
この後見制度支援信託を利用する場合、どのような流れになりますか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
ご相談のケースのような、後見開始当初は親族が後見人となっている場合であっても、一旦、弁護士などの専門職の後見人が選任されます。

 

この選任された専門職後見人が、後見制度支援信託を利用すべきかどうか等を検討して、利用が適していると判断される場合には、信託する銀行の選定や信託財産の金額等の条件を検討し、家庭裁判所に信託契約をする旨の報告書を提出します。

 

その後、家庭裁判所が、信託契約締結の指示書を発行し、その指示書をもとに、専門職の後見人が信託銀行等と信託契約をすることになります。

この信託契約が無事なされたら、その後専門職の後見人はどうなるのでしょうか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
通常、信託契約が無事に締結できた場合、専門職の後見人は辞任をして、親族後見人に財産の引継ぎを行います。

関連記事はこちら