HOME > よくあるQ&A > 相続法改正 > 配偶者居住権について

配偶者居住権について

質 問

配偶者短期居住権のことは分かりましたが、配偶者居住権とは何ですか?

回 答

配偶者短期居住権は、遺産分割協議が成立するときまでといった、短い期間の暫定的な権利です。

それに対し、配偶者居住権は配偶者が亡くなるまで居住を継続することができる、終身の権利です(ただし、遺言や遺産分割協議等で期間を定めることは可能です)。

どういった場合に配偶者居住権が認められますか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
配偶者居住権は、遺言によるか、又は遺産分割協議、調停、審判によって認められた場合には発生する権利です。
配偶者短期居住権とは違って、当然に認められるものではないのですね。
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
そうです。
例えば、遺言や遺産分割協議で配偶者に配偶者居住権を与えることとした場合には、それは、遺産を取得したものとして、その他の財産を分割するときに考慮されないのですか。
 
配偶者短期居住権ではそういった話はなかったと思うのですが…
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
配偶者居住権を取得した場合には、配偶者はその価値を取得したものとみて、その他の遺産を分割することになります。
具体的にはどうなりますか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
例えば、遺産が自宅不動産2000万円、預金2000万円、相続人は妻と子で遺産分割協議をすることを考えてみます。
 
なお、この場合の法定相続分は妻と子で2分の1ずつです。
 
ここで、改正前の民法ですと、妻が自宅に住み続けたいと考えた場合には、自宅不動産2000万円を取得し、子が預金2000万円を取得するということになります。
妻は不動産を取得すれば、預金は取得できなくなりますね。
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
そうなります。
 
同じ事例でも配偶者居住権を利用すれば、配偶者居住権を1000万円の価値があるものだとすると、妻には配偶者居住権、預金1000万円、子には自宅所有権、預金1000万円という分け方ができます。
妻は自宅の居住を確保しつつ、預金も確保することができますね。
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
そうです。
今の事例では配偶者居住権の評価を1000万円としていますが、配偶者居住権の決まった評価方法などはあるのですか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
配偶者居住権の評価方法については、いくつか提案されていますが、まだ確定的に定まったものはありません。
今後、実務上どのように評価していくかは固まって行くものと思います。
他に配偶者保護のための法改正はありましたか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
例えば、夫と妻、子1人の家族で、妻に2000万円の自宅を生前贈与していた夫が亡くなり、そのときの遺産は預金2000万円だったという事例で考えてみましょう。
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
このときに、妻と子とで法定相続分どおりに遺産分割協議を行うと、どのような分け方になると思いますか?
この場合、まず遺産総額を把握する際に、夫から妻への2000万円の自宅の生前贈与を、特別受益として、遺産に加算しますよね。
 
したがって、遺産は4000万円。ここで、妻と子が法定相続分どおり取得すると、妻は既に自宅をもらっていますから、預金は取得できないということでしょうか?
相談者
相談者

 

美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
そのとおりです。

いま、特別受益を遺産に加算しました。これを、特別受益の持ち戻しといいます。
 
改正後の民法では、婚姻期間が20年以上である夫婦の場合には、持ち戻し免除の意思表示を推定します(民法903条4項)

具体的にはどうなりますか?
相談者
相談者
美咲総合法律税務事務所
美咲総合法律税務事務所
持ち戻し免除の意思表示がある場合には、遺産は預金2000万円だけですので、これを妻と子で2分の1ずつ分けることになります。
 
こういった持ち戻し免除の意思表示の推定規定も、配偶者保護のための方策として、改正民法で規定されました。

 

関連記事はこちら