相続税-土地境界の確定による相続税の更正をした事例
だいぶ以前に担当した案件ですが、遺産の一部の土地の隣地との境界がはっきりしていなかった事例がありました。
すでに相続税の申告は終わっており、他の税理士さんが登記簿やその他の公的資料等から計算して、申告書を作成され提出したとのことでした。
そのような状況下で当事務所にその土地の境界を明確にしておきたいと言う依頼がありました。
こちらで調査したり、経緯を聞くと、隣地の所有者と協議したが、折り合いがつかず、図面を作成する必要上、ある程度、相手の主張を認めるようなやりとりもしてしまったとのことでした。
実際に境界線をどこにするかによって、その土地の地積が変わってくるので、申告の際に表示した評価額の前提とした地積と、実際に境界を決めて測量した場合、差が出てくることになると思われました。
そこで、境界を確定するため訴訟を起こし、結果的には和解により境界を確定し、それに基づいて測量を行いました。和解自体はあまり有利な内容ではありませんでしたが、経緯からするとやむを得ないと思われるものでした。ただし、これは予定通りで、むしろ相続税に関して更正を求めるのが本当の目的でした。
その和解に基づいてその土地を測量すると、申告の際に評価額算定の前提とされた地積よりかなり下回ったため、結果的に評価額も異動が生じたと言うことで、税務署に対し更正の請求を行い、相当額の税金の還付を受けることができました。
ある意味、「負けるが勝ち」と言ってもいいような結果となりました。
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小林 塁
新潟市立山潟中学校卒業
新潟県立新潟高等学校卒業
新潟大学法学部卒業
東北大学法科大学院卒業
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