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【解決事例】晩年、被相続人の世話をしていた依頼者が、相続財産清算人の選任を申し立て、特別縁故者として遺産の一部を取得した事例

依頼者属性 60代男性

事案の概要

被相続人は、依頼者の遠い親戚にあたる方でした。
被相続人には配偶者や子供がおらず、晩年に体調を崩されてからは、依頼者が病院への送迎や自宅の掃除といった身の回りの世話を一手に引き受けていました。
被相続人の死後、その自宅は空き家となりました。
依頼者は法定相続人ではないため、被相続人の自宅を管理・処分する権限がありません。「今後の空き家の管理や手続きをどうすればよいか」というご不安から、当事務所へご相談に来られました。

弁護士の対応

ご依頼を受け、当事務所で相続人の調査を行ったところ、法律上の相続人が一人もいないことが判明しました。 このまま自宅を放置すれば、老朽化などにより近隣住民へ迷惑をかけるおそれがある状況でした。
そこで、被相続人の死後、自宅の水道光熱費などを立て替えて支払っていた依頼者を「被相続人の債権者」とし、家庭裁判所へ相続財産清算人の選任申立てを行いました。
選任された相続財産清算人が財産調査を行なった結果、被相続人の財産は自宅(不動産)と一定の預貯金のみで、負債はほとんどないことが分かりました。その後、空き家となっていた自宅は相続財産清算人によって売却され、現金化されました。
諸々の清算を経てもなお相当額の財産が残ることが見込まれたため、当事務所は、晩年に被相続人を献身的に支えてこられた依頼者から依頼を受け、家庭裁判所へ「特別縁故者に対する相続財産分与」の申立てを行いました。 裁判所での審理の結果、依頼者のこれまでの貢献が認められ、相続財産の一部を依頼者様が取得するとの決定が下されました。

担当弁護士のコメント

被相続人に相続人がいない場合(相続人全員が相続放棄をした場合も含みます)、債権者などの利害関係人は、家庭裁判所に対して「相続財産清算人」の選任を申し立てることができます。 相続財産清算人は、相続人の代わりに遺産を管理し、債権者への支払いなどを行って財産を清算する役割を担います(相続財産清算人の詳しい説明はこちら)。
本来、相続人が不在の遺産は、こうした債務の清算を終えた後、最終的には国庫(国の財産)に帰属することになります。しかし、生前に被相続人と生計を同じくしていたり、療養看護に努めたりするなど、密接な関係(特別の縁故)があった人に対しては、裁判所の判断によって、遺産の全部または一部を分与する制度(特別縁故者への財産分与)が認められています。
本件のように「法定相続人ではないけれど、事実上、身の回りの世話を一人で抱えていた」「死後の空き家管理に困っている」というケースでは、適切な法的手続きを踏むことで、生前の貢献が報われ、同時に不動産の管理問題も解決できることがあります。
身寄りのないご親族のことでお悩みの際は、ぜひ一度弁護士にご相談ください。(担当弁護士 江畑博之)

掲載日:2026年6月18日

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